県内最大のタブノキ。クスノキ科の常緑高木で標準和名タブノキを、一般にはイヌクスと呼んでいます。大伴家持が万葉集の中で「磯の上の都万麻を見れば根を延へて年深からし神さびにけり」(巻19・4159)と詠んだ都万麻(つまま)は、この木と考えられています。氷見市の長坂に生育する大イヌクスは樹高12m、幹回り6.91m、推定樹齢が500年という県内最大の巨樹。言い伝えでは、この大イヌクスは、諏訪の大神として祭られ、産土神として土地の人々の崇敬を集めていました。また天保から嘉永(1830〜1853)にかけて、長坂で上山用水を開き新田開発を成功させた肝煎(きもいり)の源内が神木として厚く信仰していたそうです。