オニバスはスイレン科に属する1年草の水草。発芽は5月上旬頃からで、最初はヤジリ形の水中葉が出て、7月頃になると直径1mを超える巨大な水上葉を数枚あらわし、葉の表裏・葉柄、果実の表面などに無数のトゲをつけます。花期の8月上旬には水中からトゲのある長い柄をのばし、先端に5cm前後の赤紫色の花をつけます。9月下旬には鳥のくちばし状をした果実がわれて種子が水面に浮かび、2〜3日後には沈んで次の発芽に備えます。
大正12年(1923)「十二町潟鬼蓮発生地」として天然記念物に指定された頃は、巨大なオニバスが群れ浮かぶ日本の代表的生育地でしたが、さまざまな環境変化によって生育株は年々減少し、発芽も見られなくなってしまいました。しかし、氷見市では昭和56年(1981)から再生に取り組み、平成3年(1991)十二町潟水郷公園内のオニバスの池に発芽、開花にいたっています。ついで平成5年には移植ぬきの自然発芽にも成功し、市民や観光客の目を楽しませています。